今月の表紙 帰ってきた寄生虫シリーズ・10
クリプトスポリジウム・サイクロスポーラ
藤田 紘一郎
1
1東京医科歯科大学大学院国際環境寄生虫病学
pp.1046-1047
発行日 2000年10月15日
Published Date 2000/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904499
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クリプトスポリジウムCryptosporidium par-vumは世界中に広く分布し,ヒト以外にもウシ,ブタ,サル,ヒツジ,イヌ,ネコ,ネズミなどに自然感染している.宿主の腸粘膜上皮細胞の微絨毛内で無性生殖と有性生殖とを繰り返しながら増殖し(図1),下痢便中には感染性を持つ成熟オーシストが排出される.オーシストは直径約5μmの類円形で,内部にバナナ状をした4個のスポロゾイトと顆粒状の残体とを含んでいる.
ヒトへの感染経路はオーシストに汚染された生水や生野菜などの飲食物,汚染物が付着した手指,ヒトからヒトへの糞便汚染による伝播など多様である.
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