学会だより 第89回日本病理学会総会
分子生物学と病理診断学の接点を模索し続ける
伊藤 以知郎
1
1袋井市立袋井市民病院臨床病理科
pp.923
発行日 2000年8月15日
Published Date 2000/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904471
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去る2000年4月11日から3日間,満開の桜並木に囲まれた大阪国際会議場において第89回日本病理学会総会が,大阪大学教授北村幸彦会長,青笹克之副会長のもとで開催された.
最近の病理学会は,会長先生はじめプログラム委員の諸先生方の熱意が感じられるワークショップや講演が多い.病理学会は伝統的に特にテーマは掲げないが,近年の学会の底流に流れているテーマは,病理組織診断学といわゆる実験病理学の相互交流であり,いずれの立場からも参加しておおいに価値ある内容のセッションが今回も目白押しであった.組織診断学に長じた第一線の方々によるレクチャーシリーズ「診断のアート」計7題,基礎細胞生物学的な研究の立場から細胞増殖の制御異常(主として造血系細胞),分化異常の解説「病気の科学」計6題が組まれていたが,すべての講演への参加は不可能であり,以下に筆者の興味を持って参加したいくつかのワークショップないし講演の内容をご紹介したい.
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