今月の主題 TDMの臨床応用
話題
TDMとコンピユータでの利用
谷 重喜
1
Shigeki TANI
1
1浜松医科大学附属病院医療情報部
キーワード:
TDM
,
薬物血中濃度
,
薬剤投与
,
コンピュータ・シュミレーション
Keyword:
TDM
,
薬物血中濃度
,
薬剤投与
,
コンピュータ・シュミレーション
pp.71-74
発行日 1999年1月15日
Published Date 1999/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903985
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1.はじめに
TDMとは,therapeutic drug monitoringをキャピタルで表現した略称であり,一般的には薬物血中濃度測定(分析)業務を意味している.これは,単に薬物血中濃度測定(therapeutic druganalysis;TDA)だけでなく,その測定結果の解析,薬剤投与計画への参画までを含む業務を意味する.このためTDMが意味するのは,薬物の血中濃度測定によって得られる客観的なデータを基にして,薬物の効果をモニタリングしていく業務と理解すべきである.
薬物による治療のために,適切な薬物の投薬量を決定する目的に,このTDMを利用することは有効な手段である.しかしながら,患者の状態,薬物の種類などの諸条件により,薬物の投薬量を決定することは,容易ではない.サンプリングなどの条件も深く考慮しなければならないが,投薬された薬物が示す複雑な挙動の結果として,薬物の血中濃度推移をシュミレーションするためにコンピュータを利用することは,有効な手段の1つでもある.ここでは,TDMへコンピュータを利用するうえでの注意を述べる.
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