Japanese
English
研究と報告
唾液中バルプロ酸(VPA)濃度測定による在宅TDMの試み(2)
Development of TDM Using Salivary VPA Levels in Home Patients (2)
斎藤 百枝美
1
,
江戸 清人
1
,
石川 大道
2
,
疋田 雅之
2
,
管 るみ子
2
,
渡部 学
2
,
上島 雅彦
3
,
長井 俊彦
4
,
吉田 浩
4
,
丹羽 真一
2
Moemi SAITO
1
,
Kiyoto EDO
1
,
Hiromichi ISHIKAWA
2
,
Masayuki HIKITA
2
,
Rumiko KAN
2
,
Manabu WATABE
2
,
Masahiko UEJIMA
3
,
Toshihiko NAGAI
4
,
Hiroshi YOSHIDA
4
,
Shin-ichi NIWA
2
1福島県立医科大学医学部附属病院薬剤部
2福島県立医科大学神経精神科
3竹田綜合病院精神科
4福島県立医科大学医学部附属病院検査部
1Pharmacy, Fukushima Medical University Hospital
2Department of Neuropsychiatry, School of Medicine, Fukushima Medical University
3Takeda General Hospital
4Department of Clinical Laboratory Medicine
キーワード:
Valproic acid
,
VPA
,
Saliva
,
TDM
,
Home patient
Keyword:
Valproic acid
,
VPA
,
Saliva
,
TDM
,
Home patient
pp.509-513
発行日 2005年5月15日
Published Date 2005/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100066
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抄録
我々は唾液中バルプロ酸(VPA)濃度を測定することによる在宅TDMを実施し,その治療的意義と有用性に関して検討した。基礎試験において,在宅での唾液中VPAの保存安定性の検討を行い,在宅での唾液保存条件においても唾液中VPAは安定であった。また,福島医大病院神経精神科通院中のVPA服用患者を対象とし,唾液中VPA濃度と血清総濃度,遊離型濃度との相関性を検討し,それぞれ強い正の相関(n=74,r=0.71,r=0.77)を認めた。
今回,福島医大病院神経精神科通院中のVPA服用患者25名(男性11名,女性14名,平均年齢28.8歳)を対象とし,在宅での7回の唾液採取によるTDMを実施した。この結果,予想血清総VPA濃度と唾液中VPA濃度には正の相関が認められた(r=0.60)。これらの結果から,在宅での唾液を試料としたVPAのTDMは臨床上有用性が高いと考えられる。
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