特集 神経系疾患と臨床検査
Ⅴ.神経病理
ミニ情報
神経疾患とTUNEL法
山崎 峰雄
1
1日本医科大学第2内科
pp.1504
発行日 1997年10月30日
Published Date 1997/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903536
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細胞死にはネクローシスとアポトーシスの大きく分けて2種類が存在する.アポトーシスでは末期まで膜構造が保たれ,ミトコンドリアの微細構造には大きな変化がみられず,核および細胞質が断片化する像,すなわち,アポトーシス小体が観察される.このアポトーシスは形態学的に定義されたものであるが,電気泳動でDNA ladderを認めるなどの生化学的特徴も有している.
アポトーシスはDNAと密接な関係を持つ細胞死であり,壊死とは異なり緩徐に進行することから神経変性疾患,例えばアルツハイマー病や筋萎縮性側索硬化症などの発症メカニズムにも深く関与する可能性が考えられている.
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