特集 神経系疾患と臨床検査
Ⅳ.画像診断
1.超音波検査
3)頸部頸動脈超音波断層検査
半田 伸夫
1
,
杉谷 義憲
2
Nobuo HANDA
1
,
Yoshinori SUGITANI
2
1星ヶ丘厚生年金病院内科
2星ヶ丘厚生年金病院
pp.1444-1450
発行日 1997年10月30日
Published Date 1997/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903523
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はじめに
頸部頸動脈病変はアテローマ血栓性脳梗塞の代表的病変で,血管原性塞栓症や,閉塞や高度狭窄から生じる低灌流梗塞の原因として臨床上きわめて重要な病変である1).臨床上問題となる50%以上の頸動脈狭窄の頻度は米国一般住民で5~8%,危険因子保有患者で12%,日本の脳血管障害患者の15%,欧米白人の脳血管障害患者の25%前後と言われている2).また日本においても都市部(吹田市)では実に住民の4.4%に50%以上の狭窄例が存在することが明らかとなっている3).血管病変の超音波法による評価には血流速度から診断する方法と,断層画像から直接診断する方法,さらにはカラードプラ法と断層画像の組み合わせから診断する方法などがある.まず検査手技や正常値,正常像を示し,次いで異常値の診断について解説する.
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