特集 神経系疾患と臨床検査
Ⅳ.画像診断
1.超音波検査
2)経頭蓋ドプラ法(TCD)
古平 国泰
1
Kuniyasu KODAIRA
1
1心・血管内科 明大前クリニック
pp.1438-1443
発行日 1997年10月30日
Published Date 1997/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903521
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はじめに
1982年Aaslidら1,2)が,経頭蓋骨的超音波ドプラ装置(transcranial Doppler:TCD)を開発,Willis動脈輪を中心とする頭蓋内動脈の血流を初めて経頭蓋骨的に計測可能であることを示した.これは骨による減衰の少ない低周波数の超音波2MHzを用い,高出力とし,さらにプローブの前面に超音波の散乱,減衰を防ぎ,ビーム狭小化のための特殊な集束レンズを備え,経頭蓋骨的計測を可能としている.
その後,カラードプラ断層法による頭蓋内血流計測の試みが,1988年Furuhataら3)により最初に報告された.側頭骨には成人でもセクタ型プローブに適応する超音波の入射部位があることが証明され,血流の描出が可能となった(transcranial color flow imaging;TC-CFI).最近は経頭蓋専用のプローブ(2~3MHz)が市販されている.この手法では血管走行が視覚的に確認でき,超音波ビームの入射角度を補正できるため血流速度の絶対値が計測できる.ここではTCDとTC-CFIについて解説する.
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