増刊号 ひとりでも困らない! 検査当直イエローページ
Ⅲ章 報告前に必要なチェック
〔超音波検査〕
頸動脈超音波
早川 幹人
1
1国立循環器病研究センター脳血管内科
pp.1330-1335
発行日 2015年10月30日
Published Date 2015/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542200603
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緊急性
脳梗塞・一過性脳虚血発作では,頭部CT/MRIによって脳実質病変が,頭・頸部MR血管造影(MR angiography:MRA)やCT血管造影(CT angiography:CTA)によって血管病変が検索される.その結果に基づいて,超急性期で適応を有せば再灌流療法〔アルテプラーゼ静注療法(4.5時間以内)や血管内治療(おおよそ8時間以内)〕が施行され,また,病型に則した急性期治療が行われる.
頸動脈狭窄症で,狭窄率やプラーク脆弱性が高度で再発リスクが高い場合は,緊急頸動脈血行再建療法(頸動脈内膜剥離術・ステント留置術)を行うこともある.MRI/MRAやCTAが遅滞なく撮像できるのであれば緊急頸動脈超音波検査の意義は乏しく感じられるかもしれないが,頸部血管病変を非侵襲的にリアルタイムで評価でき,超急性期再灌流療法や急性期の血行再建療法の適応決定に直結する情報が取得できるため,欠くことのできない検査である1).
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