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特集 神経系における性差
末梢性神経・筋疾患における性差
Sex difference in peripheral neuropathies and myopathies
山中 信和
1
,
荒木 淑郎
1
Nobukazu Yamanaka
1
,
Shukuro Araki
1
1熊本大学医学部策1内科
1Kumamoto University, School of Medicine, The First Department of Internal Medicine
pp.887-894
発行日 1983年9月1日
Published Date 1983/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406205184
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I.はじめに
神経・筋疾患に限らず疾患の発現には個体(宿主),環境および病原の3つの因子が関与する。その中で最も複雑なものは個体要因である。個体要因を規制する要素として,年齢,性,人種,民族,家族,遺伝的特性などが考えられる。そのうち性に関しては男女間の生物学的な差異に加えて,その生活様式や気質も異なるので,当然疾患の発生率,有病率に性差を生じる。性差が認められるとき,その原因がどこにあるかを追及することにより,その疾患の発現機序を解明する上で役立つ場合がある47)。性差に影響してくる要因として外因への暴露度合の性差,遺伝的感受性の性差,ホルモンなどが発症に関係する場合はその性差,伴性遺伝子の関与で発症する場合などがあげられるが不明な場合も多い20)。本稿では性差の認められる末梢性神経・筋疾患について,発生率の性比,性差による臨床症状,予後の差異などについて上記の観点より解説を試みた。
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