今月の主題 フローサイトメトリー―最近の進歩
話題
網血小板の検出とその意義
川合 陽子
1
Yohko KAWAI
1
1慶應義塾大学医学部中央臨床検査部
キーワード:
網血小板
,
RNA含量
,
レーザーフローサイトメトリー
,
laser flow cytometry
Keyword:
網血小板
,
RNA含量
,
レーザーフローサイトメトリー
,
laser flow cytometry
pp.1158-1160
発行日 1997年10月15日
Published Date 1997/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903446
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1.網血小板とは
1969年,IngramおよびCoopersmith1)は,瀉血後のビーグル犬の末梢血をニューメチレンブルーで染色後血小板を鏡検し,明瞭に濃染される網状のレチクルム(細網)の増加していることを観察し,"reticulated platelet"(RP;網血小板)と命名した.RPは赤血球の網赤血球に類似しており,網赤血球に相当して骨髄における血小板産生を反映すると考えた.わが国では,1975年山中ら2)により検討され,健常人では1%以下,特発性血小板減少性紫斑病(idiopathic thrombocyto-penic purpura;ITP)で増加すると提唱されたが,論文形式の報告はなかった.われわれも,同様の方法でヒト末梢血を染色したところ,血小板内には明瞭な斑状・網状のレチクルムが存在した3).しかし,血小板を目視で観察することは多大な労力を要し,特に,血小板減少時には大変な作業となる.
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