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網血小板の最新情報
小池 由佳子
1
1東京大学医学部附属病院検査部
pp.1483-1485
発行日 2007年12月1日
Published Date 2007/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101957
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■網血小板とは
血小板カイネティクスの臨床的な評価法として,簡便で迅速,かつ繰り返し行える検査法がないのが現状である.1969年,Ingramら1)は急性出血後の正常ビーグル犬の末梢血をnew methylene blueを用いて染色後鏡検し,明瞭に濃染するreticulumを含有する血小板をreticulated plateletsと名付けた.彼らは,reticulated plateletsは正常犬の末梢血に0.8~3.0%存在するが,瀉血後5~7日で6.4~14.2%に上昇し,赤血球造血を反映するreticulocytes(網赤血球)と同様に,骨髄における血小板造血を反映するものと報告している.reticulated plateletsの正式な日本語訳はないが,網赤血球に従い,網血小板とされるのが一般的である.すなわち網血小板は骨髄から新生した幼若血小板であり,これらの比率および絶対数の測定は骨髄の血小板造血を間接的に知りうる指標となると考えられる.
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