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ベンス-ジョーンズ蛋白の検出とその意義
島田 舞
1
,
大竹 皓子
1
1慶應義塾大学病院中央臨床検査部
pp.854-857
発行日 2008年9月1日
Published Date 2008/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102182
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[ベンス-ジョーンズ蛋白の発見]
ベンス-ジョーンズ蛋白(Bence Jones protein,BJP)が骨髄腫患者の尿中に高頻度に検出される単クローン性(monoclonal,M)の免疫グロブリン(immunoglobulin,Ig)の軽鎖(light chain,L鎖)であることは周知のことであるが,BJPに関する歴史を遡ってみると,その発見は1844年に始まる.
イギリスの医師William Macintyreが胸痛の患者の尿が高比重で異常であることに気付き,この尿をロンドンの法医学者Dr. Henry Bence Jonesに送り解析を依頼した.Dr. Henry Bence Jonesは異常成分の化学的な分析を執拗に行い,1845年にこの成分がアルブミン様の物質であること,異なったpHと温度で奇妙な熱凝固性を示すことを見いだした.その尿は弱酸性条件下の40~58℃の範囲で沈降反応を示し,さらに温度を上げ煮沸すると沈降物は溶解し,これを冷却すると再び沈降物を生じることを報告した.この異常成分は彼の個人名をとってBJPと命名されたが,その後,Macintyreは骨の病変部に形質細胞の存在を認め,1850年にベンス-ジョーンズ型骨髄腫として発表した.
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