技術講座 免疫
抗Jo-1抗体検出とその意義
竹村 周平
1,2
1京都府立与謝の海病院呼吸器科
2京都府立医科大学第1内科
pp.631-636
発行日 1997年7月1日
Published Date 1997/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903176
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新しい知見
抗Jo-1抗体の対応抗原がヒスチジルtRNA合成酵素であることが判明して以来,アミノアシルtRNA合成酵素を対応抗原とする複数の自己抗体が発見された.抗Jo-1抗体は皮膚筋炎・多発性筋炎の疾患標識抗体として診断基準の一項目を占める.さらに他のアミノアシルtRNA合成酵素に対する自己抗体も含めて,臨床症状との関連性が解明されてきている.抗Jo-1抗体陽性例では高頻度に間質性肺病変,特に慢性肺線維症が認められる.
病因と関連して,アミノアシルtRNA合成酵素とある種のウイルス(エプスタイン・バーウイルス,インフルエンザウイルス,アデノウイルスなど)とのアミノ酸配列の相同性が,また骨格筋蛋白質であるミオシン,トロポミオシンとの相同性が知られており,自己抗体の産生機序,病態形成を考えるうえで興味深い.
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