今月の表紙 深在性真菌症の臨床検査シリーズ・2
アスペルギルス症(2)
山口 英世
1
,
内田 勝久
1
1帝京大学医真菌研究センター
pp.608-609
発行日 1997年6月15日
Published Date 1997/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903330
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3.Aspergillus niger
通常は汚染菌と考えられるが,特に易感染性宿主において肺アスペルギルス症の原因菌となることがある.本菌は肉腫(アスペルギローマ)型,アレルギー型,胸膜炎型などの病型の感染症を起こしやすいとされ,しばしば病巣内に蓚酸カルシウムの沈着が認められること(オキサローシスoxa-losisと呼ばれる)が大きな特徴である.
培地上でのA.nigerの発育は速やかである.発育コロニーの表面は,顆粒状または羊毛状,初めの白色~黄色から次第に黒色へ変わる(図1).
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