今月の表紙 表在性真菌症の臨床検査シリーズ
皮膚カンジダ症―2.培養検査および分子生物学的検査
山口 英世
1
,
内田 勝久
1
,
村山 琮明
2
1帝京大学医真菌研究センター
2帝京大学医学部細菌学
pp.118-119
発行日 1996年2月15日
Published Date 1996/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902814
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皮膚真菌症の原因菌が,直接鏡検や鑑別培地上の発育性状からCandida albicans,少なくともCandida属菌種と推定された場合には,分離株について同定検査を行って菌種(したがって診断)を確定することが望ましい.この目的に用いられる主な検査法は,形態学的検査と生理学的検査である.
Candidaに限らず,一般に病原性酵母の形態学的性状を調べる検査法としては,スライド培養法やダルモ平板法(画線培養法)が広く用いられている.これらの方法によって作成された光学顕微鏡観察用標本から,菌糸,特に仮性菌糸の形成の有無,菌糸の発育形態と様式の特徴,形成される無性胞子のタイプなどを容易に知ることができる.この検査には,旺盛な仮性菌糸発育や無性胞子形成を促すという理由から,コーンミール寒天(ツイーン80含有または非含有)が最適である.
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