特集 血栓症と血小板凝固線溶系検査
血栓症の病態
4.血栓傾向
3)抗リン脂質抗体症候群
鏑木 淳一
1
Junichi KABURAKI
1
1東京電力病院内科
pp.48-50
発行日 1996年10月30日
Published Date 1996/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903072
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はじめに
血清中自己抗体の測定は,全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus;SLE)など膠原病各疾患において,診断・病型分類・治療方法の選択などに有用である.近年,カルジオリピン・ホスファチジルセリンなど陰性荷電を有するリン脂質に対する抗体が測定され,陽性例の臨床特徴が追究された.これにより,"抗リン脂質抗体症候群"(antiphospholipidsyndrome; APS)という疾患概念が提唱された1).APSはSLEなどを基礎疾患とする二次性(secon-dary)APSと基礎疾患が明らかでない原発性(pri-mary)APSに分類される2).
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