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キマーゼ依存性アンジオテンシンⅡ産生経路
塩田 直孝
1
,
宮﨑 瑞夫
1
1大阪医科大学薬理学教室
キーワード:
アンジオテンシンⅡ
,
キマーゼ
,
血管壁
Keyword:
アンジオテンシンⅡ
,
キマーゼ
,
血管壁
pp.1444-1446
発行日 1995年12月15日
Published Date 1995/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902779
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アンジオテンシンⅡ(AⅡ)は,レニン―アンジオテンシン(RA)系の最終生理活性物質であり,強力な血管収縮作用を有するだけでなく,血管平滑筋細胞の増殖や細胞外基質の産生亢進などを含めて細胞機能の調節に広くかかわっている.AⅡは,循環血中で産生されることはよく知られている.すなわち,肝臓から血中に分泌されたアンジオテンシノーゲンに腎臓由来のレニンが作用しアンジオテンシンⅠ(AⅠ)が切り出され,血漿中のアンジオテンシン変換酵素(ACE)によりAⅡに変換される.ところが近年,RA系の構成要素が全身の多くの組織局所で発現していることが明らかになり,AⅡは循環血中以外に組織局所でも独自の調節機構で産生され,オートクリン,パラクリン系として機能している可能性が論じられている.また最近,AⅡはレニンやACE以外の酵素の働きによっても産生されることがわかってきた(図1).しかし,これらのAII産生経路の多くは,生体内での役割や病態生理学的意義がほとんど解明されていない.その中で,キマーゼの役割は少しずっ明らかになってきている.
キマーゼは,キモトリプシン様セリンプロテアーゼの一種であり,主に肥満細胞から分泌される.
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