今月の主題 臨床検査とQOL
座談会
臨床検査とQOL
片山 善章
1
,
中原 一彦
2
,
高木 康
3
,
池田 康夫
4
1国立循環器病センター臨床検査部
2東京大学医学部臨床検査医学
3昭和大学医学部臨床病理学
4慶應義塾大学医学部内科
pp.1419-1429
発行日 1995年12月15日
Published Date 1995/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902773
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池田(司会) "QOLと臨床検査"という難しいテーマを与えられて,大変悩んでいます.QOLが今どうして話題になってきているのかということを最初に考えますと,ある疾患を治療する場合,今までは治療成績について,何年生きたかとか,何%ぐらいの治癒率が得られたかなどと評価されていたわけです.例えば癌の治療であれば,5年生存率が何%である,という格好です.しかしそもそもいちばん重要なことは,患者さんの苦痛を取り除くことであり,患者さんがいちばん希望する形で治療が行われるということであり,これが医療の原点なのです.
そこでこの原点に立ち返って考えると,そこにはどうしても患者さんの生活の質,QuaIity ofLife;QOLがあるのです.ですからQOLを簡単に定義すれば,"人間らしく生きるためにどう生活の質を確保するか"ということになると思います.
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