Japanese
English
資料
プレザパツクⅡ®とQS90TMによる電解質測定
Study of an Electrolyte Determination Preza-Pak II® and QS90TM
中里 浩樹
1
,
松田 富雄
1
,
芦田 ひろみ
1
,
西池 淳
1
,
森 秀麿
1
Hiroki NAKASATO
1
,
Tomio MATUDA
1
,
Hiromi ASHIDA
1
,
Jun NISHIIKE
1
,
Hidemaro MORI
1
1金沢医科大学麻酔学教室
1Department of Anesthesiology, Kanazawa Medical University
キーワード:
血液電解質
,
血中カルシウム
,
キレート
,
ヘパリン
,
QS 90
Keyword:
血液電解質
,
血中カルシウム
,
キレート
,
ヘパリン
,
QS 90
pp.1225-1227
発行日 1995年10月15日
Published Date 1995/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902646
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
動脈血採血用サンプラーに含まれるヘパリンリチウムは陽イオンをキレートするため,電解質を低値に計測することが報告されている.ラジオメータ社製QS90はヘパリンにNa,K,Caを加えたバランスドヘパリンにより陽イオンに与える影響がほとんどないとされている.筆者はヘパリンリチウムを含むテルモ社製プレザパックII(P群)とQS90(Q群)の動脈血電解質,血液ガスの測定比較検討を100症例において行ったところ,pH,Pco2,Po2に関しては両群間には有意差は認められなかったが,Na(mmol/1)はP群135.8±2.95,Q群137.7±2.94,K(mmol/l)はP群3.81±0.52,Q群3.90±0.51,Ca(mmol/1)はP群0.97±0.05,Q群1.16±0.05で,Na,K,CaすべてP群はQ群よりも有意に低値を示した(ρ<0.01).また両群の平均値の差は,Na1.38%,K2.31%,Ca15.74%であった.両群間の相関係数(γ)はNa,K,Caそれぞれにおいて0.937,0.973,0.494であった.これまでの他の報告でもプレザパックⅡによる電解質測定値の低値の報告は数々あるが低値の原因はヘパリンによるキレートであるとされているが今回使用したQS90はバランスドヘパリンによりキレートされるNa,K,Ca,補正できると言われている.今回いずれの測定値が正常値に近似しているかは検討していないが,Caにおける平均値の差が15.74%と大きいことは臨床上問題と考える.
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.