特集 ホルモンと生理活性物質
各論
15.その他
7)オステオカルシン
藤枝 憲二
1
Kenji FUJIEDA
1
1北海道大学医学部小児科
pp.276-278
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902255
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生合成・分泌・機能
1.構造と機能
オステオカルシン(osteocalcin)は,bone Gla pro-tein (BGP)とも言われ,ビタミンK依存性カルシウム結合蛋白質で,骨の非コラーゲン蛋白の10~20%を占める.その構造はγ-カルボキシグルタミン酸残基(グルタミン酸のγ位炭素にもう1つのカルボキシ基が付いたもの:Gla)を2~3個含むアミノ酸49残基から成り,分子量約5,900のペプチドである.通常Gla残基は17位,21位,24位にあり,Ga2+との親和性を有する.しかし,ヒトオステオカルシンでは17位Gla残基は十分にγカルボキシル化されないため,21位,24位がCa2+の結合に関与している.SS結合はCys-23とCys-29にある.ビタミンKおよび1,25-デヒドロキシビタミンDの刺激により骨芽細胞で合成される.オステオカルシンは骨形成に際し,コラーゲンが合成され,ヒドロキシアパタイトの結晶が沈着して,石灰化が生じるが,このヒドロキシアパタイトの上に結合して存在する.最近血小板でも産生されることが見いだされている.
オステオカルシンの生理的役割についてはあまりよくわかっていない.しかし,骨の代謝回転が亢進すると,血中レベルが上昇することから,骨の代謝回転を反映する指標として注目されている.
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