特集 ホルモンと生理活性物質
各論
15.その他
8)オステオクラストアクチベーティングファクター
杉本 利嗣
1
,
千原 和夫
1
Toshitsugu SUGIMOTO
1
,
Kazuo CHIHARA
1
1神戸大学医学部第3内科
pp.279-281
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902256
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生合成・分泌・機能
1.生合成
1972年,Hortonらはヒトの末梢血白血球をphyto-hemagglutininなどのレクチンで刺激すると,その培養上清中に強力な骨吸収活性が検出されることを見いだした1).この培養上清中に含まれる物質は破骨細胞を刺激することによって骨吸収を促進することからオステオクラストアクチベーティングファクター(osteoclast-activating factor; OAF,破骨細胞活性化因子)と名付けられた.
OAFは高Ca血症を呈した多発性骨髄腫や悪性リンパ腫の成因に関与していることが示され,また,当初単一のリンホカインと考えられていたため,その精製が注目されていた.ところがその後の遺伝子工学の目覚ましい進歩により種々のサイトカインが単離,同定され,リコンビナントの純品を用いた検討により,OAFは実は複数の骨吸収促進因子の集合体であることが明らかとなってきた.したがって今日ではOAFは活性化された免疫担当細胞が産生する骨吸収活性を有するリンホカインやモノカインの総称と考えられている.
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