増刊号 免疫検査実践マニュアル
各論
Ⅰ.ホルモン
6.その他の内分泌
(3)オステオカルシン
富田 明夫
1
,
根来 良材
1
1愛知医科大学臨床検査医学講座
pp.151-153
発行日 1994年4月15日
Published Date 1994/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901920
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蛋白中のグルタミン酸(Glu)はビタミンK依存性のcarboxylaseの作用によりγ-carboxyglutamic acid(γ-Gla)になりCa結合能を持つ.骨中ではこのγ-Glaは骨芽細胞によって合成され,オステオカルシン(osteocalcin,bone Gla-protein;BGPともいう)と呼ばれている.このBGPは骨マトリックスの非コラーゲン蛋白として骨中に存在するが,完成されたBGPは49個のアミノ酸を持ち,血中にも存在している.近年この血中BGPは骨代謝回転の指標,ことに骨形成能の生化学的指標として種々の代謝性骨疾患で測定されている1).
血清アルカリホスファターゼ(ALP)も骨形成能の指標として古くより使用されており,血中BGPも骨形成能を反映することから血清ALPとよく相関することが知られている1).ただALPは骨由来のもののほか,肝由来,その他のものがあるので,肝障害などがあるとBGPとの相関はみられなくなる.BGPはそのような影響を受けないので,骨代謝回転の良い指標となりうる.
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