特集 ホルモンと生理活性物質
各論
11.成長因子系
3) EGF
伊崎 誠一
1
Seiichi IZAKI
1
1埼玉医科大学総合医療センター皮膚科
pp.216-218
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902231
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生合成・分泌・機能
1.生合成
上皮成長因子(epidermal growth factor; EGF, S.Cohen,19621)は53個のアミノ酸から成る分子量6,050の一本鎖ポリペプチドである.これはもともとマウスの顎下腺抽出物から発見されたものであるが,これとヒトのEGFはアミノ酸レベルで約70%の相同性を示す(図1).EGFの前駆体(プレプロEGF)は分子量110kDaの細胞膜を貫通する糖蛋白で1,207個のアミノ酸から成る.EGFはこの蛋白の膜貫通ドメインに隣接した一部分にある.
EGF前駆体をコードするcDNAがヒト腎臓から分離され配列決定された2).24個のエキソンを含む全長約110kbのエキソン構成ならびに蛋白のドメイン構造を図2に示す.EGFは20番目と21番目のエキソン,膜貫通領域は21番目のエキソンにコードされる.プロモーター領域にはTATAおよびCAATボックス様の配列が存在する.
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