目でみる症例―検査結果から病態診断へ・18
May-Hegglin異常
土屋 達行
1
Tatsuyuki TSUCHIYA
1
1駿河台日本大学病院臨床病理科
pp.705-707
発行日 1994年6月15日
Published Date 1994/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902010
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●検査結果の判定●
末梢血液像所見で,赤血球形態に異常はなかった.しかし,血小板は減少しており,大型の血小板が認められた(図1).この血小板の中にはリンパ球とほぼ同一の大きさを示す巨大」血小板も散見された.白血球分画では幼若細胞の出現もなく,百分率にも特に大きな変化は認められなかった.
ところが,油浸レンズ(対物100倍)で観察すると好中球,好酸球,単球(図2~4),さらには好塩基球の細胞質まで直径2~3μmの青色の封入体が認められた.リンパ球にはこのような封入体は見られなかった.この封入体はデーレ小体(Döhle body)(図5)によく似ているが,大きさがやや大きいこと,そしてデーレ小体は細胞質の辺縁部に認められるのに対して,この症例では細胞質の中央部に認められることが異なっている.またデーレ小体は感染症などによる反応性の変化として,中毒穎粒(図6)とともに認められることが多いが,この症例では中毒穎粒も見られなかった.
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