医学ごよみ
5月—May 皐月
木村 專太郎
1
1医療法人喜悦会那珂川病院
pp.495
発行日 1999年5月1日
Published Date 1999/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902713
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□21日 白血球食菌作用の発見
免疫学の発展に貢献した功績によりノーベル生理学医学賞を受賞したメチニコフ(Elie Metchinikoff,1845〜1916)が,ロシア皇帝ニコライ1世の治世下のこの日に,カルコフ(Kharkov)地方に生まれた.彼は経済的に非常に恵まれた環境に育ち,小さいころから昆虫の観察が好きであった.
19世紀の終わりから20世紀初頭は,免疫学の台頭の時期であった.ドイツ学派の北里柴三郎やベーリングが発見した破傷風やジフテリアの血清療法,エールリッヒの抗原抗体反応説が確立されようとしていた.そのとき,ロシア人のメチニコフは,パリのパスツール研究所から,白血球が体内に入った細菌を食べるという全く異なった免疫説を発表し,ドイツ学派と真向から対立することになった.
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