特集 ロボティクスと臨床検査
Ⅳ.検体搬送システム
3. 各施設からのレポート
6)山口大学医学部附属病院
大庭 雄三
1
Yuzo OHBA
1
1山口大学医学部臨床検査医学講座
pp.179-181
発行日 1993年10月30日
Published Date 1993/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542901761
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はじめに
山口大学検査部は1991年度予算で古典的な化学検査および末梢血球検査の主力装置を一挙に更新した.従来の装置は故障しても修理部品の調達ができず,化学も血液も全体のシステムも極限状態に陥っていた.当初更新予算の中にコンピュータも含めていたため,これが検査装置の要求額を圧迫し縮小更新となった(表1,2).搬送システムについては,まず企業側からの提案を求め,複数の企業連合が参加できるように,概略のみのごく簡単な仕様書を作成し,競争入札によって決定した.全面的稼動開始は1993年8月からであった.
最近,山口大学検査部では血液,化学,血清といった専門分野の壁を取り払い,検体を受け付けたら直ちに測定・報告する部門(迅速検査),適当にまとめて測定する部門,および多方面の情報を考慮し,問題解決を意識しながら検査する部門の3段階で検査を行っている.現在末梢血球検査(CBC),血液凝固・線溶7項目,血液化学32項目および脳脊髄液検査を迅速検査部門で扱っている(表3).装置更新に際して,これらの検査を可能な限りワークシートレス・オンライン測定によって処理することを目標にした.
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