目でみる症例―検査結果から病態診断へ・10
全身衰弱,末期患者に認められたm-CK
高木 康
1
Yasushi TAKAGI
1
1昭和大学医学部臨床病理
pp.1139-1142
発行日 1993年10月15日
Published Date 1993/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542901711
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●検査の結果の判定●
図1にアガロースゲル電気泳動法による血清クレアチンキナーゼ(CK)のザイモグラムを示す.臓器ホモジネートから粗精製したCK-MM,CK-MBおよびCK-BB (M: muscle, B: brain)はそれぞれ原点(β~γグロブリン位),α2グロブリン位,およびプレアルブミン位に泳動され,健常者血清中にはCK-MMだけが存在している.これに対して,患者血清ではCK-MMが陰極側にブロードとなっている.この異常分画の同定のために,CK-Mサブユニット活性のみを特異的に阻害する抗体を反応させた後にCK活性を染色すると,下段のように,健常者血清中のCK-MM分画やこれと同様の位置にある患者CK-MMは阻害され,陰極側のブロードな活性帯だけが残存する.このことから,この陰極側の活性帯がCK-MMとは免疫学的に異なるCK活性帯であることが確認される.
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