COFFEE BREAK
異境への旅
屋形 稔
1
1東新潟病院
pp.732
発行日 1992年7月15日
Published Date 1992/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542901140
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「人は外国に旅して自分の体に合っただけのものを持ち帰る」という意味の句は確かゲーテによって書かれたものと記憶している.「蟹は甲羅に似せて穴を掘る」ともいうし,いくら異国をみても旅の経験を積んでも自分の持っているだけのものを超えられないという悲観的な考えも成り立つ.
私も出国の珍しかった時代から数えると外国へは30回ぐらい旅をしたが,半分は臨床検査関係の学会の旅であった.今は窮屈になったようであるが,学会前後はできるだけ余裕を作って人情,風物も楽しむように努力した.楽しいグループの旅もあったし,異境の孤独をかみしめることのできる一人旅もした.
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