特集 アレルギーと自己免疫
III.自己免疫疾患
2.自己免疫疾患の検査
5)自己抗体
(22)抗リンパ球抗体
山田 明
1
Akira YAMADA
1
1東京大学医学部第3内科
pp.234-235
発行日 1991年11月30日
Published Date 1991/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900860
- 有料閲覧
- 文献概要
はじめに
抗リンパ球抗体は抗白血球抗体の一種である.頻回に輸血を受けた後,あるいは妊娠の後に,輸血のドナーや児の父親の白血球に対し抗体を生じるが,これは特定のHLA抗原に対するものである.全身性エリテマトーデス(SLE)の患者では,約半数に抗リンパ球抗体の出現をみるが,これはしばしばnaturally occurringという言葉を冠して呼ばれるように,輸血などによる人為的な免疫によるものではない.また特定のHLA抗原を持ったリンパ球だけでなく,誰のリンパ球に対しても反応する.自己のリンパ球に対しても反応するので,SLE患者の持つ多彩な自己抗体の一種と考えられている1).
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.