特集 アレルギーと自己免疫
III.自己免疫疾患
2.自己免疫疾患の検査
5)自己抗体
(9)抗セントロメア抗体
諸井 泰興
1
Yasuoki MOROI
1
1国立伊東温泉病院
pp.201-203
発行日 1991年11月30日
Published Date 1991/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900847
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はじめに
細胞核成分に対する自己抗体として,きわめて多数の抗核抗体の存在が明らかにされ,しかもそのおのおのが種々のリウマチ性疾患や肝疾患などと関連して出現することが判明している.抗セントロメア抗体(anticentromere antibody;ACA)についても1979年の筆者らによる報告以来,多くの検討が加えられてきた1,2).本抗体は強皮症の病型との関連から臨床家の注目を浴びると同時に,染色体セントロメアという細胞分裂に必須の微小構造に特異的な抗体という点が多くの細胞生物学者の関心を呼び,この方面からの研究も多数に上っている.本稿では,主として臨床的な立場から,ACAに関するこれまでの知見を交えて概説する.
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