特集 アレルギーと自己免疫
II.アレルギー疾患
3.アレルギー疾患と検査
3)皮膚アレルギー
(4)光過敏症
市橋 正光
1
Masamitsu ICHIHASHI
1
1神戸大学医学部皮膚科
pp.111-115
発行日 1991年11月30日
Published Date 1991/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900819
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はじめに
長年にわたり,皮膚は単なる内界と外界のバリヤーであり,その役割は角化細胞と色素細胞が主役と考えられてきた.
しかしながら,1970年代に入ると紫外線(ultraviolet light;UV)に曝露された動物皮膚は紫外線誘発皮膚癌を拒絶できなくなること1,2),腫瘍特異的サプレッサーT細胞が誘導されていること3)が見いだされ,生体免疫系への太陽光の影響が注目されるところとなった.一方では中波長紫外線(UVB)は表皮Langerhans細胞の機能を障害し4),紫外線曝露皮膚に感作物質(ハプテン)を外用すると,ハプテン特異的アレルギー反応を抑制することが見いだされている5).このように皮膚は単なる物理的バリヤーではなく,免疫システムをも備えた臓器であることが理解できる.
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