特集 アレルギーと自己免疫
II.アレルギー疾患
3.アレルギー疾患と検査
3)皮膚アレルギー
(3)接触皮膚炎
中山 秀夫
1
Hideo NAKAYAMA
1
1東京都済生会中央病院皮膚科
pp.108-110
発行日 1991年11月30日
Published Date 1991/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900818
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■病態,病像
接触皮膚炎には,大きく分けて刺激性接触皮膚炎とアレルギー性接触皮膚炎の2種がある.前者は表皮細胞に毒性のある化学物質が付着したために起こる組織障害で,毒性が強ければ水疱,壊死や強度の発赤,腫脹,びらんなどを生ずる.灯油や強酸,強アルカリ,化学兵器などの接触でこれが起こり,ふつうchemicalburnと呼ばれる.
一方,毒性の弱い化学物質が数日くらい皮膚についても,ふつうなんの障害も起こらないが,これが何週間も続くと,皮膚は発赤し,落屑,表皮肥厚が起こって,荒れた皮膚になる.これは台所洗剤や工業用洗剤のような界面活性剤を連用したときとか,化粧品中のプロピレン・グリコール,1,3-ブチレン・グリコールなどが高濃度で含まれているときに起こりやすい.このタイプは慢性刺激性接触皮膚炎と呼ばれる.
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