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トランスサイレチンと遺伝性アミロイドーシス
古谷 博和
1,2
1九州大学医学部脳研神経内科
2九州大学遺伝情報実験施設
キーワード:
家族性アミロイドポリニューロパチー
,
トランスサイレチン
,
プレアルブミン
,
DNA診断
Keyword:
家族性アミロイドポリニューロパチー
,
トランスサイレチン
,
プレアルブミン
,
DNA診断
pp.995-997
発行日 1991年9月15日
Published Date 1991/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900715
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アミロイドーシスは全身の諸臓器に不溶性のアミロイド線維蛋白が沈着する疾患で,その臨床症状はアミロイドの沈着する臓器とその程度により異なっている.その中で常染色体優性の遺伝形式をとる家族性アミロイドポリニューロパチー(familial amyloidotic polyneuropathy;FAP)は,四肢の感覚障害,自律神経障害などの末梢神経障害で発症し,十数年の経過で肝不全,栄養障害などで死に至る難病である.
この疾患の遺伝子レベルからの解明は,FAPの中でポルトガル,スウェーデン,日本(特に長野,熊本に多い)に数多く見られるI型FAP患者の組織に沈着しているアミロイド蛋白がトランスサイレチン(transthyretin;TTR)であることが判明したことから始まった.
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