今月の主題 心・血管系ホルモン
測定法・病態生理
内皮細胞由来血管弛緩因子
石井 邦雄
1
Kunio ISHII
1
1静岡県立大学薬学部薬理学教室
キーワード:
摘出血管
,
弛緩反応
,
グアニル酸シクラーゼ
,
サイクリックGMP
,
培養線維芽細胞
Keyword:
摘出血管
,
弛緩反応
,
グアニル酸シクラーゼ
,
サイクリックGMP
,
培養線維芽細胞
pp.252-257
発行日 1991年3月15日
Published Date 1991/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900520
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内皮細胞由来血管弛緩因子(EDRF)は,内皮依存性血管反応の中心に位置し,心・血管系の恒常性維持に重要な役割を果たしている.内因性チオールのニトロソ化物がその本体と推測されるが,生理的な条件下ではきわめて不安定なため,いまだに構造が確定していない.したがって,EDRFの測定は,活性の増減を相対的に比較する方法や,一酸化窒素(NO)またはS-ニトロソ・システインなどを標準物質とする半定量的な方法に頼っている.本稿では,それらの中から,繁用されている摘出血管条片の弛緩反応と細胞のサイクリックGMP (cGMP)反応を指標とする2つの生物学的試験法を取り上げ,具体的手法と特徴,問題点について解説するとともに,化学的測定法にも言及した.
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