特集 電解質と微量元素の臨床検査ガイド
各論
2 公害性・医原性金属
8)リチウム(Li)
髙橋 修
1
Osamu TAKAHASHI
1
1(株)エスアールエル臨床化学部
キーワード:
炭酸リチウム
,
フレーム原子吸光光度法
,
炎光光度法
,
血中治療濃度
,
検量線法
Keyword:
炭酸リチウム
,
フレーム原子吸光光度法
,
炎光光度法
,
血中治療濃度
,
検量線法
pp.1468-1472
発行日 1990年10月30日
Published Date 1990/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900356
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はじめに
リチウム(Li)は原子番号3,原子量6.94でナトリウム(Na),カリウム(K)と同じアルカリ金属に含まれる元素である.
1949年,Cadeら1)によって躁病に対する治療効果が報告された.1980年代になるとわが国においても躁うつ病治療にLi製剤(炭酸リチウム:分子式Li2CO3,分子量73.89)が広く用いられるようになった.さらに,高血圧の予防,甲状腺機能の抑制など医学的効果の面で注目を集めているとの報告もある2),炭酸リチウムは白色の結晶性の粉末で無臭である.水にはやや溶けにくく,希酢酸に溶ける性質がある.
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