Land-Mark papers in Oncology~エポックメイカーとなった論文~
「治療」Li-Fraumeni Syndrome
笹野 公伸
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1東北大学大学院医学系研究科病理病態学講座病理診断学分野教授/東北大学附属病院病理部部長
pp.53-53
発行日 2019年9月10日
Published Date 2019/9/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0096.05.02_0053-0053
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家族性腫瘍,すなわち遺伝的に腫瘍が発生しやすい家系があることは現在ではよく知られている。特に乳癌ではBRCA1/2の胚細胞遺伝子変異がよく知られていて,high riskの家系に該当する者はスクリーニングとしての遺伝子検査を受けて予防的乳房切除術が施行される場合もあることも広く知られるようになった。しかし,乳癌を含むある種の悪性腫瘍が家系的に累積し,しかもその原因遺伝子が常染色体優性遺伝で伝播されることを初めて示したのは,New York出身の中国系米国人であるFrederick Pei Liと,その同僚であったJoseph F. Fraumeni Jr.が報告した症候群である。この成果は上記の1969年に発刊されたAnnals of Internal Medicineで発表している。
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