特集 電解質と微量元素の臨床検査ガイド
各論
2 公害性・医原性金属
9)ゲルマニウム(Ge)
森田 秀芳
1
,
下村 滋
2
Hideyoshi MORITA
1
,
Shigeru SHIMOMURA
2
1徳島大学医療技術短期大学部
2徳島大学薬学部
キーワード:
Geの測定法
,
Geの人体組織中濃度
,
Geの毒性
,
有機Ge化合物
,
無機Ge化合物
Keyword:
Geの測定法
,
Geの人体組織中濃度
,
Geの毒性
,
有機Ge化合物
,
無機Ge化合物
pp.1472-1475
発行日 1990年10月30日
Published Date 1990/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900357
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はじめに
ゲルマニウム(Ge)は原子番号32番,原子量72.61の炭素族元素(4B族)の一つである.地殻中存在量は約2ppmで,海水中には0.05ppb程度存在する.
食品中の濃度については,SchroederとBalassaが非常に多数の魚介類,食肉,穀物,野菜,飲み物,果物などについて報告している1).それによれば,ほとんどすべての食品に0.15~2μg/g含有され,Geの1日当たりの摂取量は約1,500μgであるとしている.しかし,最近の注意深い研究2,3)により推察される食品中のGe濃度は非常に低く,多くの場合,検出限界以下である.したがって,SchroederとBalassaの報告値をそのまま日本の食品に当てはめることはできないと考えられる.なお,今のところGeの動植物に対する必須性は認められていない.
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