特集 電解質と微量元素の臨床検査ガイド
各論
1 生体に必要な元素
7)銅(Cu)
牧野 鉄男
1
Tetsuo MAKINO
1
1神奈川県立衛生短期大学臨床化学教室
キーワード:
体液・組織中銅
,
銅ビリルビン錯体
,
原子吸光法
,
銅欠乏症
,
遺伝性銅代謝異常疾患
Keyword:
体液・組織中銅
,
銅ビリルビン錯体
,
原子吸光法
,
銅欠乏症
,
遺伝性銅代謝異常疾患
pp.1417-1419
発行日 1990年10月30日
Published Date 1990/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900340
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測定の意義
銅(Cu)は成人体内で肝に最も多く総量(1.26mmol)の10%が存在し,次いで脳,心,腎にも多く分布し,筋,骨は濃度は低いが量的には総量の50%にも及ぶといわれる.Cuは主としてメタロエンザイム(特に酸化酵素)の形で,脳内代謝,骨および結合織代謝,造血などに重要な役割を果たしている.
血清中のCuはその約90%がセルロプラスミンと強く結合し,残りが"交換しうる"型のCuとしてアルブミンやアミノ酸と緩く結合して存在するといわれる.赤血球中のCuの約60%がスーパーオキシドジスムターゼに,残りが未同定の蛋白およびアミノ酸との結合型で存在するといわれる.
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