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今月の特集 骨髄腫と類縁疾患の検査学
骨髄腫の病態・診断・治療
Pathophysiology, diagnosis, and treatment of multiple myeloma
菊池 拓
1
1日本赤十字社医療センター血液内科
キーワード:
多発性骨髄腫
,
新規薬剤
,
微小残存病変
,
MRD
Keyword:
多発性骨髄腫
,
新規薬剤
,
微小残存病変
,
MRD
pp.804-812
発行日 2024年7月15日
Published Date 2024/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542203664
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Point
●多発性骨髄腫は形質細胞が腫瘍化した造血器腫瘍であり,骨破壊による病的骨折や高カルシウム血症,腎機能障害,造血障害などの特徴的な臨床症状を呈する.
●多発性骨髄腫の治癒は困難とされ,再燃・再発を繰り返す疾患である.しかし,プロテアソーム阻害剤や免疫調整薬,抗体製剤,さらに遺伝子改変T細胞療法などの新規薬剤を用いた治療により予後は劇的に改善している.
●65歳以下の若年者では新規薬剤を含む寛解導入療法に引き続く自家末梢血幹細胞移植併用大量化学療法(HDC/ASCT,自家移植)が推奨される.自家移植困難な高齢者や臓器障害などがある患者では抗CD38抗体を組み合わせた治療が初回治療として推奨される.
●治療効果判定の微小残存病変(MRD)の検出法も進歩し,治療効果判定基準も変化した.特にMRDの陰性化は長期予後のサロゲートマーカーとなる.
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