医療紛争の事例から学ぶ・7
補助業務に付随する説明
松本 龍馬
1
,
蒔田 覚
2
1岡部真勝法律事務所
2蒔田法律事務所
pp.209-211
発行日 2024年2月15日
Published Date 2024/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542203530
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はじめに
医師の指示に基づいて診療の補助として採血や検体採取を行う臨床検査技師には,これらに付随する業務の一環として,各種検査に必要な問診や説明を行う役割が期待される.
連載第7回では,健康診断の一環として実施された胃癌健診の際,健診受診者がバリウムを服用した後に,大腸穿孔,腹膜炎などを発症したことについて,看護師の説明義務違反,問診義務違反が問われた裁判例(東京地方裁判所平成27年5月22日判決1):請求棄却〈確定〉)を紹介する.タスクシフト/タスクシェアが進むなかで臨床検査技師には,採血や検体採取などの“診療の補助”業務についてもいっそうの活躍が期待されており,患者と接する機会が格段に増えることが想定される.本裁判例の判断のポイントを理解することは,臨床検査技師が上記業務を行う際にも参考となるであろう.
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