WITHコロナにおける検査室の感染対策・5
超音波検査関連における感染対策
筑地 日出文
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1公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院医療技術部門臨床検査技術部
pp.770-774
発行日 2022年6月15日
Published Date 2022/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542203036
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はじめに
2020年3月11日に世界保健機構が新型コロナウイルス感染症(以下,COVID-19)のパンデミック発生の宣言をして以降,約2年が経過したが,いまだ収束する傾向はみられない.無症候性キャリアの報告1)が数多くあるなかで,感染拡大を防ぐために,われわれ医療従事者は米国疾病対策センターが病院向けに提唱した感染予防ガイドラインの標準予防策(スタンダード・プリコーション)と伝染に基づく予防策の両方を実施する必要がある2).
倉敷中央病院(以下,当院)ではCOVID-19の感染拡大以前から,院内感染制御室主導の下,病院全体で感染予防対策に取り組んでいる.近年ではCOVID-19感染を常に疑う状況にあることから,患者との接触前後はもちろんのこと,感染の可能性がある物品に触れる前後や手袋装着前後などに手指消毒を可能な限り行うことが最重要事項の1つになっている.
本稿では,患者と直接対面・接触することの多い生理検査室,なかでも超音波検査を行っている心臓生理検査室と超音波検査室に焦点を当てて,実際に行っている感染予防対策についての現状と工夫を紹介する.
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