特集 超音波検査の技術と臨床
コラム
超音波検査と院内感染
大原 智子
1
Tomoko OHARA
1
1自治医科大学臨床検査医学
pp.1487-1488
発行日 2001年10月30日
Published Date 2001/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904963
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近年様々な医療機器が院内感染に関与することが知られてきている.多くは患者の皮膚や粘膜などに直接機器が接触していくことで,院内感染の原因菌が患者から患者へと広がっていく.今まではあまり注目されなかった超音波機器も院内感染の媒介物としての可能性が指摘されるようになってきた.
1994年の冬から春にかけてドイツの大学病院の新生児病棟で膿皮症が多発した1).調査の結果,汚染した超音波のゲルによって黄色ブドウ球菌のout-breakが起きたことが判明した.ドイツではルーチン検査である新生児の股関節の超音波検査によって院内感染が起きたわけだが,ゲルの汚染経路は詳しい調査にもかかわらず不明であった.このほかにも,やはり汚染した超音波ゲルによるKlebsiella pneumoniaeの院内感染例2)が報告されている.
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