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今月の特集2 良性腫瘍の病理と遺伝子異常
“潜在的な悪性腫瘍”として位置付けられた褐色細胞腫・パラガングリオーマ(PPGL)
New concept: all pheochromocytoma/paraganglioma have metastatic potential and assigned thus malignant tumors
竹越 一博
1
1筑波大学医学医療系臨床検査医学/スポーツ医学研究室
キーワード:
褐色細胞腫/副腎外傍神経節腫
,
PPGL
,
新WHO分類(2017年)
,
PPGLの悪性度診断
,
PASSとGAPP
,
遺伝子診断
,
生殖細胞系列SDHB病的バリアント
,
germline系SDHB病的バリアント
,
SDHB免疫組織化学
Keyword:
褐色細胞腫/副腎外傍神経節腫
,
PPGL
,
新WHO分類(2017年)
,
PPGLの悪性度診断
,
PASSとGAPP
,
遺伝子診断
,
生殖細胞系列SDHB病的バリアント
,
germline系SDHB病的バリアント
,
SDHB免疫組織化学
pp.763-769
発行日 2022年6月15日
Published Date 2022/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542203034
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Point
●新WHO分類(2017年)には“パラガングリオーマ(PPGL)は全症例において悪性のpotentialを有している腫瘍と考える”と記載され,概念の変遷が示された.すなわち,PPGLはいったん悪性化(遠隔転移)すると難治性となり,根治が困難となる点が重視された結果である.
●病理組織診断では,PPGLが転移するpotentialを有する腫瘍か否かを事前に判別することは困難であるが,PASSとGAPPは複数の因子をスコア化して評価することで判定の精度を改善しようとしている.
●最近,病態に関与する遺伝子異常が数多く発見されてきた.特に生殖細胞系(germline系)SDHB病的バリアントは悪性化と密接に関連することが明らかにされている.
●腫瘍組織を用いたSDHB免疫組織化学を用いると,SDHx(SDHA,SDHB,SDHC,SDHD,SDHAF2の総称)のgermline系列病的バリアント保持者のスクリーニングが可能である.
●GAPPと遺伝的なファクターを総合的に判断することで,悪性のpotentialを精度よく事前に評価できるようになる可能性がある.
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