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今月の特集1 腫瘍循環器学を学ぶ
腫瘍循環器学とは
Onco-cardiology, what should we do as a next step?
畠 清彦
1,2
1医療法人財団順和会山王メディカルセンター予防医学センター内科
2国際医療福祉大学医学部
キーワード:
腫瘍循環器学
,
アンスラサイクリン系薬剤
,
ヒト上皮細胞増殖因子受容体2型阻害剤
,
HER2阻害剤
,
心臓毒性
Keyword:
腫瘍循環器学
,
アンスラサイクリン系薬剤
,
ヒト上皮細胞増殖因子受容体2型阻害剤
,
HER2阻害剤
,
心臓毒性
pp.682-691
発行日 2022年6月15日
Published Date 2022/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542203019
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Point
●腫瘍循環器学はまだ始まったばかりの学問であり,腫瘍に対する治療が進歩して初めて認識されるようになった部分が多い.長期生存患者が増加することによる高齢化という問題が生じている.
●死因としてはがん(第1位)と心臓血管疾患(第2位)が多いので,これらを克服することが重要である.どちらかの患者が先に疾患を有している場合は,どちらも頻度が高いということが重要である.
●歴史的には,アンスラサイクリン系薬剤が血液腫瘍や造血幹細胞移植,乳がんといった抗がん剤治療で治癒を期待できる疾患で使用されるキードラッグであるため,心臓毒性は最も重要な問題となった.
●2000年以降になってヒト上皮細胞増殖因子受容体2型(HER2)阻害剤,ABLキナーゼ阻害剤,さらに血管内皮細胞増殖因子(VEGF)阻害剤などが市販されて,抗がん剤治療の成績がさらに向上すると,長期間の観察によって,心臓,血管毒性や血栓の問題が明らかになってきた.これらの合併症に対する適切な管理が重要となっている.
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