今月の特集 典型例の臨床検査を学ぶ
急性心筋梗塞
井上 健司
1
1順天堂大学医学部附属練馬病院循環器内科
キーワード:
急性心筋梗塞
,
AMI
,
高感度トロポニン値
,
0-1時間アルゴリズム
Keyword:
急性心筋梗塞
,
AMI
,
高感度トロポニン値
,
0-1時間アルゴリズム
pp.598-601
発行日 2021年6月15日
Published Date 2021/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542202730
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初診(診察)時症状・所見
患者は60歳代,男性.午前5時ごろに喉の違和感を自覚した.水分をとったが違和感は改善しなかった.指を喉に入れたら,吐いてしまった.その後も喉の違和感は消えなかったため,耳鼻科を受診した.咽頭ファイバー検査が行われたが,特に異常所見は認められなかった.その日は仕事を休み,自宅で安静を保っていたが,症状が改善しないため順天堂大学医学部附属練馬病院の救急外来を受診した.
数年前から健康診断で脂質異常と高血圧を指摘されていたが,自覚症状がないため受診歴はなかった.喫煙歴は,以前は20本/日であったが,5年ほど前から禁煙している.アルコールは,毎日,瓶ビール1本を飲んでいた.診察では咽頭所見は軽度に発赤していたが,頸部リンパ腫は触知しなかった.甲状腺も触れなかった.胸部所見は駆出性雑音を聴取するがラ音はなかった.腹部所見や四肢には異常は特にみられなかった.
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