今月の特集 典型例の臨床検査を学ぶ
慢性心不全
佐藤 直樹
1
1かわぐち心臓呼吸器病院循環器内科
キーワード:
診断
,
非代償性心不全
,
脳性ナトリウム利尿ペプチド
,
心房細動
Keyword:
診断
,
非代償性心不全
,
脳性ナトリウム利尿ペプチド
,
心房細動
pp.602-605
発行日 2021年6月15日
Published Date 2021/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542202731
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
初診(診察)時症状・所見
患者は50歳代,男性.家族歴に特記すべきことなし.既往として,3年前からかかりつけ医で高血圧に対する加療がされていた.1カ月前から動悸があり,その後,息切れが生じたため近医を受診したところ,当科を紹介され来院した.外来では脈拍数118/分,不整であった.血圧は128/96mmHg,経皮的動脈血酸素飽和度(oxygen saturation of peripheral artery:SpO2)は94%(室気)であった.頸静脈には軽度に怒張があり,下腿浮腫は足背部の両側に軽度に認めた.肝臓は一横指蝕知した.胸部聴診では胸骨左縁第5肋間で中等度の汎収縮期雑音を聴取した.下肺野で軽度のcoarse crackleを聴取した.甲状腺は蝕知しなかった.
Copyright © 2021, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.