今月の特集 対比して学ぶエコー所見で鑑別に悩む疾患
扉
藤崎 純
1
1東邦大学医療センター大橋病院臨床生理機能検査部
pp.5
発行日 2021年1月15日
Published Date 2021/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542202537
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「エキスパートの先生方はこのような症例に遭遇した際に,どうような部分に注目しながら検査を進め,鑑別(診断)に結び付けているのだろうか?」
超音波(エコー)検査は,経済的かつ簡便,非侵襲的であることからも,まず初めに依頼されることが多い画像診断で,全身のさまざまな部位を検査することができます.
一方で,あらゆる領域において,エコー所見が類似しており鑑別に悩む腫瘤性病変および疾患に遭遇することも少なくなく,それが良悪性の鑑別や治療方針の異なる疾患の鑑別となると診断には慎重にならざるを得ません.
本特集では,各領域におけるエキスパートの先生方に,普段よく遭遇し鑑別に悩むことの多い2〜3疾患について,それぞれの典型的なエコー像を冒頭に並べて提示していただきました.そのうえで,エコー所見(断層像,カラードプラ,造影エコー所見を含む)での特徴や鑑別ポイント,また,鑑別に重要な患者情報や,知っておくべき知識について説明していただいています.
エコーだけでは鑑別が困難な症例もあります.他のモダリティでの所見も考慮しつつ総合的に鑑別(診断)が必要なこともあるので,エコーでの限界を知ることも重要です.
本特集では,エキスパートの先生方の着目点や考え方(検査中の頭の中)について,できるだけ読者にわかりやすいように解説をお願いしました.また,重要な「超音波検査での鑑別のKey Point」を各項目の最後で挙げていただきました.今後,日常のエコー診断で鑑別を要するエコー所見に遭遇した際,その鑑別にご活用いただければ幸いです.
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