病気のはなし
再生不良性貧血
高久 史麿
1
1東京大学第三内科
pp.698-703
発行日 1985年8月1日
Published Date 1985/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203408
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再生不良性貧血とは1)
再生不良性貧血は骨髄内での血球の産生が全般的に低下し,そのため骨髄の低形成,骨髄内全有核細胞数の減少をきたすことを特徴とする血液疾患である.骨髄内での血球の産生が低下するため,その反映として末梢血液中のすべての系統の血球が減少し,貧血,白血球減少,血小板減少が同時に起こり,汎血球減少症の状態を呈してくるようになる.
再生不良性貧血の際の骨髄の低形成は徐々に起こることが多く,患者自身はいつ始まったか気づかないのが常である.しかし,症例によっては貧血や血小板減少が急速に進行し,重症の貧血,血小板の減少による出血傾向,顆粒球の減少による感染症が急に現われ,重要な臓器への出血や肺炎,敗血症などの重症感染症のために早期に死亡する場合もある.
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