増刊号 これで万全!緊急を要するエコー所見
1章 腹部エコー
十二指腸潰瘍
竹之内 陽子
1
,
畠 二郎
1
,
谷口 真由美
1
1川崎医科大学附属病院中央検査部
pp.372-374
発行日 2020年4月15日
Published Date 2020/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542202322
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疾患の概要
病態・原因
潰瘍とは消化管粘膜の限局性組織欠損であり,少なくとも粘膜筋板を越える深さの欠損をいう.潰瘍は病理学的に組織欠損の深さによって,Ul-Ⅰ(粘膜層のみの組織欠損,びらん),Ul-Ⅱ(粘膜筋板を越え,粘膜下層に達する組織欠損),Ul-Ⅲ(組織欠損が固有筋層にまで達するもの),Ul-Ⅳ(組織欠損が固有筋層を越え,漿膜に達したもの)までの4段階に分類される.
若年期のヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori:H. pylori)菌感染や非ステロイド性消炎鎮痛剤(nonsteroidal antiinflammatory drug:NSAIDs)の服用が原因で,粘膜による防御の働きと胃酸による攻撃とのバランスが崩れ,胃酸による粘膜障害をきたし発症する.したがって胃に近い十二指腸球部が好発部位である.
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