増刊号 呼吸機能検査 BASIC and PRACTICE
Part1 呼吸機能の基礎をマスターしよう!
1.“機能別”呼吸生理のメカニズム
鼻腔から気道までの構造と機能
鈴木 範孝
1
1地方独立行政法人総合病院国保旭中央病院診療技術局中央検査科
pp.1120-1127
発行日 2017年10月15日
Published Date 2017/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542201379
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人体を構成する60兆個もの細胞は,代謝を行うために絶えず酸素を必要としており,一方で細胞で産生された二酸化炭素を排出する必要に迫られています.この需給を満たし,生体を維持するためには,空気中の酸素を身体の隅々まで運び,組織から二酸化炭素を運搬,体外へ排出する装置が必要になります.この働きをする器官が呼吸器系(respiratory system)です.呼吸器系は上気道(鼻腔,咽頭,喉頭),下気道(気管,気管支),肺で構成されており(図1)1,2),肺ではガス交換(大気からの酸素の取り込みと組織で産生された二酸化炭素の排出)が行われ,鼻腔から気管支までがその通路にあたります.通常はこの鼻腔から気管支までを気道(airway)と呼びますが,広義には肺内の気管支・気管支枝,細気管支も気道に含まれます.
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